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ヘッジファンドの報酬ランキングを大公開!【2018年最新版】

高額報酬のヘッジファンドマネージャーをランキング化

毎年5月にアメリカの専門誌「インスティテューショナルインベスターズ」から発表されているヘッジファンドマネージャーの報酬ランキング。

高額の報酬を受け取るヘッジファンドマネージャーの中でも、超一流のマネージャー達がどれほどの報酬を得ているのかは、やはり気になりますよね!

事実、前回の報酬ランキングで1位のシモンズ氏とグリフィン氏(後ほど詳しく紹介)は2015年に「17億ドル(1870億円)」の報酬を受け取っています。1年で1870億円とは驚愕ですよね…。

ただ2017年に発表された最新の報酬ランキングでは、これまで2連覇していたグリフィン氏が後退するなどの変化があり、このランキングの動向は目が離せません!

そこで今回は最新のヘッジファンド報酬ランキングを紹介するとともに、上位にランクインしているマネージャーたちの経歴や素顔を紹介します!

ではまず最新の報酬ランキングから見ていきましょう!

ヘッジファンドマネージャーの報酬ランキングを紹介!

気になるヘッジファンドマネージャーの報酬ランキング(2017年)はこの通りです!

順位 ヘッジファンドマネージャー 報酬額(日本円) ヘッジファンド 前年の順位(報酬額)
1 ジェームズ・シモンズ 16億ドル(1760億円) ルネッサンス・テクノロジーズ 1位(17億ドル)
2 レイ・ダリオ 14億ドル(1540億円) ブリッジウォーター・アソシエイツ 3位(14億ドル)
3 ジョン・オーバーデック 7.5億ドル(825億円) ツーシグマ・インベストメント 7位(5億ドル)
3 デビッド・シーゲル 7.5億ドル(825億円) ツーシグマ・インベストメント 7位(5億ドル)
5 デビッド・テッパー 7億ドル(770億円) アパルーサ・マネージメント 3位(14億ドル)
6 ケネス・グリフィン 6億ドル(660億円) シタデル 1位(17億ドル)
7 ポール・シンガー 5.9億ドル(649億円) エリオット・マネジメント ランク外
8 マイケル・ヒンツェ 4.5億ドル(495億円) CQS ランク外
9 デビッド・ショー 4.15億ドル(456億円) D.E.ショーグループ 6位(7.5億ドル)
10 イスラエル・イングランダー 4.1億ドル(451億円) ミレニアム・マネジメント 5位(11億ドル)

2017年の報酬ランキング1位は、前年同様「ジェームズ・シモンズ」氏がランクイン。彼は世界長者ランキングでも49位に名を連ねており、ヘッジファンド界で大成功を収めているマネージャーです。

そして2位には世界最大のヘッジファンドを率いる「レイ・ダリオ」氏が名を連ね、安定して14億ドルもの報酬を獲得。彼は、2008年のリーマンショックで利益を出した数少ないヘッジファンドマネージャーです。

それ以降は4億~7億ドルの報酬を得ているマネージャーがランクインしていますね。同率3位のヘッジファンド「ツーシグマ・インベストメント」は近年特に注目を浴びているヘッジファンドであります。(後ほど詳しく解説)

そして今回のランキングで驚いたのは「前回まで1位だったグリフィン氏が6位に後退したこと」です。その理由はアメリカの規制当局に罰金を支払うことになったからです。

2017年1月にアメリカの規制当局は、グリフィン氏の率いるヘッジファンド「シタデル」が顧客に保証する利益を還元していないとし、罰金2260万ドル(約25億円)を科しました。これによりグリフィン氏の報酬が減ったというわけです。

以上が最新のヘッジファンド報酬ランキングになります。近年ヘッジファンド業界は厳しい状況が続いている中、超一流のヘッジファンドマネージャーの報酬は変わらずですね!

では報酬ランキングの中でも、上位にランクインしているヘッジファンドマネージャーたちはどのような人物なのでしょうか。今回はトップ3のマネージャーならびに前年まで1位のグリフィン氏を紹介します!

上位トップ3のマネージャー達の経歴や素性とは?

ではまずヘッジファンド報酬ランキング2年連続1位のジェームズ・シモンズ氏から解説します!

ジェームズ・シモンズ「投資に数学を取り入れた先駆者」

james-simonsシモンズ氏は元々数学者であり、ハーバード大学で数学を教え、数学界で最高名誉となる賞を受賞した経験を持ちます。

その後彼は相場での取引を開始したのですが、彼は数学に強い人間を集めて独自のヘッジファンドを興し、数学に基づいた投資を始めます。これは経験や勘に頼ることがほとんどであった当時としては、大変画期的なことでした。

これによりシモンズ氏は相場に一定の法則があることを発見し、投資の勝率を高め、現在の地位に至っているというわけです。

このようにシモンズ氏は投資に数学を取り入れた先駆者的存在であり、報酬ランキング1位に君臨するのも納得できますよね。

そしてシモンズ氏は現在、高齢を理由に引退していますが、彼の興したヘッジファンド「ルネッサンステクノロジーズ」は年平均38%のリターンを記録しています。文句なしの成績ですね!

以上、ヘッジファンド報酬ランキング1位のジェームズ・シモンズ氏についてでした。今後の成績にも注目が集まりますね!

レイ・ダリオ「真実の追求を徹底」

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レイ・ダリオ氏は12歳から株に興味を持ち始め、ハーバードビジネススクールで金融を勉強しました。そして金融会社を経たのちに、1975年にアパートの1室で独自のヘッジファンド「ブリッジウォーター」を興します。

設立後、彼は多額の損失を経験しますが、彼は常に「真実を追求する」ことを徹底しました。当時のアメリカ政府は投資家を安心させようと、虚偽の発言を繰り返していたからです。

そしてこの姿勢が特に活きたのが2008年のリーマンショック時です。彼は政府や中央銀行の言っていることを信じずに、彼自身で真実を追求した結果「アメリカ経済は危機的状況にある」との結論に至りました。

これにより彼はアメリカ経済と連動しない投資商品を買い、彼はリーマンショック時に+12%の利益を出すことに成功。この成功経験から、ダリオ氏は一層世間の注目を浴び報酬ランキングでも上位に名を連ねているわけです。

以上が、報酬ランキング2位に名を連ねたレイ・ダリオ氏についてです。ヘッジファンド界でも超一流マネージャーの1人なので今後も注目していきましょう!

ジョン・オーバーデック「世界最速の成長を誇る数学の天才」

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3位のジョン・オーバーデック氏は16歳の時に国際数学オリンピックで銀メダルを獲得した経験をもつ「数学の天才」です。そして彼はその数学を何か他のことに生かしたいと考えていました。

そのため31歳の時に、報酬ランキング同額3位のデビッド・シーゲル氏と共にヘッジファンド「ツーシグマ・インベストメント」を設立しました。

このツーシグマは近年急速に成長しており、運用資産は50億ドル(2010)から450億ドル以上(2017)にまで増加しています!その最大の理由は「数学を駆使した最先端のクオンツ運用」です。

基本的にはジョン・オーバーデック氏がモデルの構築、デビッド・シーゲル氏がエンジニアリングなどを担当しています。このような分担制のもと、AIを用いて好成績を収めているのです。

ちなみにこのツーシグマ・インベストメントはその運用スキルだけでなく、オフィスの独創性でも注目を集めています。


マウスやキーボードを上から吊り下げる発想は驚きですよね。笑 ツーシグマは優秀な人材を定着させるために様々な工夫を凝らしているので興味深いですね!

以上、報酬ランキングで3位に名を連ねたジョン・オーバーデック氏についてでした。ツーシグマの今後の成長はぜひ注目していきましょう!

ケネス・グリフィン氏「若きヘッジファンドマネージャー」

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グリフィン氏が投資を始めたのはハーバード大学の寮に住んでいたとき。当時18歳だったグリフィン氏は自室でオプションの取引を開始し、その後転換社債への投資も始めました。

ちなみに転換社債というのは、基本的には債券なのですが、価格が一定の水準に達した場合にはその会社の株式に乗り換えることが出来る投資商品です。

この個人投資から始まり、22歳の時に彼は独自のヘッジファンド「シタデル」を興します。この年齢は他のヘッジファンドマネージャーと比べるととてつもなく若いです。

ですが彼の運用成績は世間の注目を浴び、31歳にして運用資産を20億ドル(2200億円)抱え、39歳には130億ドル(1兆4300億円)まで運用資産を増やしています。驚異的なスピードですよね!

その後リーマンショック時に、シタデルは破綻寸前にまで追い込まれましたが、政府などからのサポートを受けることなく自力で生き延び、現在の地位に至っているというわけです。

ちなみにこのグリフィン氏は若くして資産家であり、ニューヨークで史上最高額2億4000万ドル分の不動産取引をするなど、ヘッジファンド界で盟主となりつつあります。今後の成績には目が離せませんね!

以上がヘッジファンド報酬ランキングで上位にランクインするマネージャーたちの素顔になります。今後もこのヘッジファンドマネージャーの成績は随時チェックしていきましょう!

これまでの内容のまとめ

今回はヘッジファンド報酬ランキングを紹介しました。トップ10にランクインしているマネージャーはほとんど変わらず、2年連続でジェームズ・シモンズ氏が1位となりました。

その他にもレイ・ダリオ氏などが名を連ねた一方、前年まで1位だったグリフィン氏は今回6位に後退となったのが大きな変化でした。これは先ほど述べた通り、アメリカ当局から罰金を科せられたことが理由でしたよね。

そして近年勢力を増しているヘッジファンド「ツーシグマインベストメント」の動向は要チェックですね。AIを使ったデータ分析のもと、高確率で勝ち続けているのはとても興味深いです。

以上が最新のヘッジファンド報酬ランキングについての概要になります。これから先の報酬額も気になってきますね!

ちなみに、今回の記事では「報酬」にフォーカスしてランキングを見てきましたが、当サイトの別記事では「総資産」についてのランキング記事もあります。

気になる方は、そちらも是非チェックしてみてください!
マネージャーの総資産ランキングはこちら

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